子宮筋腫治療ノ記録

人生初の手術となった子宮筋腫治療の記録。これから治療を受ける、どこかの誰かの参考になることを願って。

前日入院と人生初の手術!

まさか子宮筋腫で手術を受けるとは…

前日入院

前日入院の日。忘れ物はないかとか、術後の痛みはどんなものなんだろうとか、退院してどのくらいで普通の生活に戻れるのかな、とか、頭の中がぐるぐる。とりあえずタクシーに乗る。病院のある駅で降り、ドラッグストアで細々したものを購入し、頭の整理のために喫茶店でコーヒーを飲む。病院の受付で書類諸々を渡すと、ほどなくして入院病棟に案内され、看護師さんがいろいろと説明をしてくれる。今回は個室が空いていなかったので2人部屋。といっても、病院自体が小さいので人数もそこまでおらず、静かなもの。隣の方の寝息といびきがよく聞こえていた。この日の記憶がとても曖昧なのが残念。お腹を空にするため、浣腸をしたのは覚えているのだけど…。とりあえず夜からは絶食で、オペ当日は水も飲んではいけないという。持ってきた荷物を整理して、ベッドの上でぼーっと過ごしていた気がする。とうとう人生初の手術が翌日に迫ってきた。

手術当日

絶食よりも水が飲めないのが地味につらい手術当日。トイレでお腹を空にして、シャワーをお借りする。経験者のブログを読むと、だいたい3日くらいはシャワーを浴びれないと書いてあったので、入れる時に入っておこうと。その後、妙にビッグサイズの手術着に着替え、血栓防止の靴下をはいて、大人用紙おむつ(術後の出血対策)をしてベッドへ。お昼くらいに先生たちと看護師さんが様子を見に来てくれてちょっと安心した。この日は他にもオペがあり、私が呼ばれたのは午後も結構まわった頃だった。いったい何度時計を見ただろう。そして、とうとう名前を呼ばれ、手術室に入った瞬間に襲ってきた強烈な恐怖感。その後はもう、全身麻酔による眠りの海へ。気が付いたらベッドに戻っていて、ひたすら「痛い、痛い、痛い」と唱えていたと思う。切ったところが痺れるようにヒリヒリと痛い。しかも、全身麻酔の副作用と酸素マスクの薬品臭さで吐き気と嘔吐が止まらない。しかも、まだ水分が取れないので、喉がカラカラでどうにもならない。思い出してみると、この時間が一番つらかった気がする。騒ぎ疲れて、強い痛み止め(点滴)で寝落ち。

 

術後間もなくベッドで目覚めた時の痛みと吐き気…。これが本当につらかった。自分の場合、オペが終わったのが夜っぽかったので(空が真っ暗だった)眠るまでの短い間ではあったけど、あの時の様子を思い出しては、頑張ったなー、自分と思う。もし、退院後の状態も含めて一番つらかったことは?と聞かれたら、たぶんこの時間以外には特にないと思う。

手探りの入院準備

初めての入院準備

混迷を極める入院準備

約2週間後に迫ってきた人生初の手術入院。なにしろ本当に経験がないものだから、何を準備したらいいのかさっぱりわからない。「子宮筋腫 入院 持ち物」「子宮筋腫 腹腔鏡手術 入院」「子宮筋腫 手術 持って行ったほうがいいもの」など、暇さえあれば体験談を綴ったブログを検索して、必要そうなものをノートに書きなぐる。「持って行ってよかったもの」「いらなかったもの」が人によって結構違うので困った。私の場合は売店がない病院なので、途中で買い物に行けないことを考えて、とりあえずひっかかったものはリストアップ。細々したものが多くて、いちいち買いに行くのも面倒なため、まとめてネットで購入。一番頭を悩ませたのが、手術着を脱いだあとの服装(パジャマ的な)だったのだが、病院で受付をしてくれる「入院セット」があることを思い出して、行き帰りとはおりもの(薄手パーカー)以外、服っぽいものは持って行かないことにした。入院セット、おすすめ。

最終的に持って行ったもの全リスト

  • 下着(ハーフトップ2・ブラキャミ1・ニッセンで購入した普段より2サイズ大きいへそ上ショーツ5枚セット)
  • 薄手のパーカー(羽織)
  • 歩きやすい靴(スポーツブランドのスリッポンを軽く洗って持って行った。サンダルは転ぶ人が多いからダメ!と院内に張り紙があった)
  • 洗面用具(リキッドソープ、シャンプー、泡立てネット)
  • スキンケア用品(化粧水、乳液、シートマスクなど、最低限のもの)
  • 化粧品(もとからメイクは薄いので、最低限)
  • 汚れ物入れ用のレジ袋を数枚
  • BOXティッシュ
  • ミニノート、4色ボールペン
  • 限度額認定証、保険や傷病手当申請時に使う診断書(先生に記入していただくもの)
  • 保険証
  • 印鑑
  • クリアファイル数枚
  • ストロー付きコップ
  • ペットボトルにつけて直接飲めるストロー(術後1~3日くらいまで、痛くて動きたくないので寝た姿勢のまま飲めるのがとても助かった)
  • ナプキン
  • イヤホン
  • 洗剤(入院セットがあったので、洗濯はしなかった。ショーツはシャワールームで手洗い)
  • 靴下(履いても履かなくてもどっちでもいい感じだった)
  • ウエットティッシュ
  • スキンケアシート(無香料キュレルの汗拭きシート、おすすめ)
  • 充電器
  • ヘアブラシ
  • 耳栓・イヤホン(人の多い大きい病院や相部屋の人は必須かも?)
  • 本5冊くらい(テレビを見ないので、ほとんど読書して過ごした)
  • ベッドサイドポケット(amazonで適当に買ったけど、一番役に立った!)
  • 置き時計(時間が気になる人はあったほうが良いかも)
  • 小さいピンチハンガー(目立たないところでショーツ干しに使った)

ちなみに、行き帰りは同じ服(ロングシャツワンピ、ニッセンで買ったマタニティ用レギンス)で済ませた。特に、帰りは本当に体力が落ちているので、荷物は可能な限り軽いほうがいいかと。

こんな感じで、人生初の入院準備もなんとか終了。無印良品の小さめのキャリーケースが満タンになるくらいの荷物量。最初はどうなることかと思ったけど、長期入院するわけでもないし、1日数百円の入院セットという有り難いシステムがあるし、他人様の体験談を参考にしつつ荷造りをはじめてみたら意外とあっさり終わった。ちなみにフェイスマスクは使わなかった。なぜなら看護師さんたちがとてもマメに巡回に来てくださるので、パック中の顔とか見せるのがとても心苦しかったから…(余談すぎる)そして、いよいよ入院…!

手術日程の調整と恐怖の自己採血

ようやく手術日程調整へ

ホルモン治療中止許可、そして手術日程調整へ

病院に連絡した直後、急患的に診察をしていただき、副作用がきつすぎる旨を伝え、先生にホルモン治療中止の正式な許可(?)をいただいた。レルミナ錠の服用を中止してしばらくすると、2週間ほど続いた強烈な不眠が改善され、まともに眠れる日が少しづつ増えてきた。この時の安堵感ときたら。考えてみると、生理が止まり下腹の圧迫感や頻尿が緩和されてきたタイミングで不眠が始まったので、薬がしっかり効いたことによる副作用だったんだ…と自分の中では確信を持った。そして次の診察にて、早めに手術を受けたい旨を先生に伝えると、筋腫が大きいため腹腔鏡と補助的な小切開での摘出になるとのこと。あくまで「補助的な小切開」で「開腹手術」とは違うので、入院期間や術後の経過も腹腔鏡と変わらないという説明を受け、納得して日程調整に入った。そして、手術前の検査と「自己採血」についてもお話があり「次回の来院時に、手術前の説明も併せて全て行うので、時間に余裕を持って来てください」と言われ、診察は終了。

 

手術前検査と、恐怖の自己採血!

前回の診察から約2週間ちょっと後、手術前検査と自己輸血用の採血日がやってきた。実をいうと手術よりもこの自己採血のほうが怖かった気がする。ただでさえ貧血なのに、400㏄も血を抜くのか…!?という感じで、他人のための輸血経験のないわたしは、自分のために人生初の輸血をすることになった。知り合いの方が「貯金と思って頑張れ」と言ってくれたのが励みになった。確かに、他人の血液は出来る限り入れたくないのが本音。朝から色々と検査があって、飲んでいるサプリメントの調査なども終わり、とうとう恐怖の採血タイム。血管が埋もれてなかなか針が刺さらないので、手首に極太の針を刺すことになった。むちゃくちゃ痛い。たまらん。しかも、400㏄も採るものだから結構時間がかかる上に、点滴の時間が本当に長い。永遠に続くかと思われた「痛」と「無」の狭間を漂う時間。最後に手術前の簡単な説明を受け、いよいよ手術(人生初の)の実感がわいてきたのであった。ようやく希望が見えてきた。

 

長い長い遠回りをして、ようやく手術日程の調整と術前検査&自己採血が終わった。とうとう手術するんだ…!という実感がわいてきた。なぜか恐怖感は全然なくて、何か大きなことに初めて挑む時のような緊張感のほうがすごかった気がする。それにしても、最初に行った婦人科は内診時の強烈な痛さと手荒さ、女医の言葉のきつさでトラウマレベルになったのだが、最後にたどり着いたこの病院のおかげで、私の超病院嫌いと婦人科恐怖症はかなり改善されたのであった。

病院選びは本当に大事!納得のいく選択を!

ホルモン剤治療の副作用について

突然やってきた強烈な副作用

服用開始から約1か月後にやってきた悪夢

レルミナ錠を服用して約1か月ちょっと。見事に生理が止まった。下腹部の圧迫感もかなりましになった。途中で不正出血が何度かあったのと、殺人的な暑さに紛れて襲ってくるホットフラッシュ、排水溝にごっそりたまる抜け毛、妙な肌の乾燥感以外は、何とか耐えられそうなレベルだと思っていた。しかし、この間に引っ越しがあり、新居に移ってから突然、まったく眠れなくなった。初めは越したばかりで落ち着かないせいだろうと思っていたけれど、日に日に悪化してくる不眠症。布団に入って明け方まで眠れないのが日常になってきた。眠剤も全然効かない。眠れないおかげで更に日中の体の火照りが強まり、頻度が上がってきたホットフラッシュにも耐え難くなってきて、これはどうにかせねば!と、漢方薬局に駆け込んだ。1日500円、その場で先生が調合してくれた粉薬。内訳は特に書いていなかったけど「筋腫の症状を抑えます」と強調するので、信じて飲んでみることにした。

 

ホルモン治療はもうやめた!

さて、高くついた漢方薬の効果もイマイチわからず、何を試しても眠れないという地獄のような日々が続いた。子宮筋腫では死なないけど、ホルモン剤の副作用で弱って倒れるかも…くらいに思いつめ、この強烈な副作用に耐えられないと判断した私は、病院に電話をして「服用をやめたいのですが…」と話した。小さな病院なので、受付の方が先生に連携をとってくださり、あっさりと「服用をやめてもよい」ことになり、次回診察の予約をした。確かに下腹の圧迫感は少しましになったし、生理も止まって貧血も改善されたし、確実に数ミリは小さくなっていたのは確実だと思う。でも、ホルモン剤を飲み続けるメリットとデメリットを天秤にかけた時、私にはデメリットのほうが明らかに大きかった。これから子宮筋腫の治療を考えている方は、この辺り(メリットとデメリット)をしっかり考えた上で取り組んでいってほしいと、心から願う。

 

しばらく順調に見えたホルモン治療だったが、強烈な副作用に耐えられず、薬で小さくすることは諦め、可能な限り早く手術をする決意がようやく固まった。大きさが大きさなだけに、大変な手術になるかもしれない。いよいよ次回の診察で手術日程の調整。それにしても、死なない病気(?)とはいえ、手術をするかどうかって、そう簡単には決められないものなんだな…としみじみと感じた。

ホルモン治療、その天国と地獄

ホルモン剤治療開始

初診と治療方針の決定

3つ目の病院での初診は貫禄と風格のある男性の先生。骨盤MRIのCD-Rに目を通してから、改めて内視。このままだと着床障害と不妊状態は必須で、放っておくとどんどん大きくなると言われる。腹腔鏡手術前提での治療をしたい旨を伝えるが、この大きさだとホルモン治療で少し小さくしたほうが取りやすいと言われ、ひとまずレルミナ錠を2週間分ほど処方された。自分から全摘か核摘出どちらを希望するかは伝えなかったけど、自動的に(?)核摘出の方向で決まったらしい。あくまでこちらの話を淡々と聞いてくれるスタンスで、意見や方針を押し付けてくるわけでもなく、聞いたことにはしっかり答えてくれる。安心して診察を受けることができた。やはり病院選びは大切で、「医師と患者」の前に「人間対人間」なのだと感じた。

 

ホルモン治療、その天国と地獄①飲み始め~3週間位まで

初診の数日後、恐怖の生理期間がやってきた。生理が始まったらすぐ飲み始めるようにとの指示どおり、レルミナ錠の服用開始。この間にとても大事な予定があり、県外のビジネスホテルに宿泊したのだが、あまりの出血量に、ベッドを血まみれにしてしまいそうな恐怖でまったく眠れなかった。投薬初日~数日間の出血は人生で最大級レベルで、このまま失血死するのではと思ったほど。調べてみるとホルモン剤の飲み初めに、このような現象(一時的に出血量が増える)が起こるらしい。飲み始めてしばらくすると、今度は定期的なホットフラッシュが地味に始まった。まあ、どうせ真夏で暑いし汗だくだから仕方ないと言い聞かせ、服用を続けた。僅かながら下腹部の圧迫不快感と頻尿が改善されてきたような感じがしたのが、飲み始めて3週間ほどのこと。

 

ここまでは一見順調にも思えた投薬治療だったが、生理がピタッと止まり下腹部の圧迫不快感が緩和された辺りから、凄まじい抜け毛、猛烈な不眠、神経の昂り、ホットフラッシュの頻度アップなど、地獄の日々が始まるのであった…。天国から地獄とはこのことだろうか。

希望と現実の狭間(UAEという選択肢)

UAE適応可否の相談へ

都内のクリニックへ

今まで大きな病気をしたことがなく、自分の健康をやや過信していた自分。やっぱり手術が怖くなってしまい、調べていたところ「UAE」という選択肢を見つけた。すぐに予約してクリニックへ。ところが「この大きさ(10センチ強)では無理」と言われてしまった。対応できるのはせいぜい8㎝くらいまでと。しかも、筋腫が粘膜に近いと排出時の感染リスクが高いため、この状況でUAE治療は不可とのこと。「みんなどうしてこんなに大きくなるまで放置するんだろうね。あなたみたいな人がたくさん来るんだよ。もう少し早ければ出来た可能性もあるのに」と言われて、まぁそうだよな…と納得してしまった。「異常事態」に少しづつ「正常」バイアスがかかってしまうことの恐怖…。

 

腹をくくって手術を決める

一縷の望みになりかけたUAEという選択肢も塞がれた。漢方薬でどうこうできるサイズでもないのだし、筋腫の弊害は重くなってくるばかり。もう腹をくくって手術をしようと決めたのも、おそらくこの時期だったと思う。全摘か核摘出かは次に行った病院で相談して決めればいいし、とにかくもう手術前提で治療を始めようと決意し、真剣に病院探し。「子宮筋腫 腹腔鏡手術 都内」で検索すると、家からも遠すぎず、実績もあり評判も良さそうな病院が出てきた。さっそく電話をして、初診予約をする。電話対応も良く「もうここに決めよう…」と思った。春頃から続いていた迷走にそろそろ疲れてきていたのも本音。もうこの頃には夏の気配がやってきていた。 

 

UAEを断られ、とうとう手術前提に治療に取り組む決意をする。自分の意志で選んだ病院で初診予約をしたときに感じた安堵感が記憶に残っている。しかしこの後、レルミナというホルモン剤による地獄の日々が待っていたことを、この時の私は知る由もなかった…。
 

 

初めての婦人科受診

人生初の婦人科受診

怖い・きつい・痛い

この歳で初めての婦人科。どうしても恐怖感があって、今までずっと避けてきたけれどもう逃げられない。しょっぱなから、整形外科でもらった筋腫映像のCDRを忘れたことをこっぴどく怒られる。もうこの時点できつい。この女医怖い。各種検査もすさまじく雑というか手荒くて、痛すぎて泣いた。「その年齢ではもう自然妊娠も難しいだろうし(いや希望してないけど…)全摘でいいんじゃない?その大きさだとうちではホルモン注射で小さくしてから開腹手術。貧血でまだ手術は無理だと思う。鉄剤出しておくから、次回は検査結果聞きに来て」と早口でまくしたてる怖い女医。腹腔鏡手術を希望してることを伝えると、あっさりと別の病院に紹介状を書いてくれたので早々と退出。

 

検査結果と病院変更

2度目の受信は検査結果の確認だけ。子宮頸がんやポリープなど筋腫以外の病気はなし。貧血度合いは末期レベル。生理の出血による貧血は、じわじわと進んでいくということを知れただけで良しとする。もうこの病院に来ることはないだろう。紹介状を書いてもらった他の病院も、腹腔鏡手術では有名だそうだが、口コミなどを調べてみるとなんだか微妙そうな感じだ。当初は全摘でもいいと思っていた意思も揺らいできた。しばらくは鉄剤で貧血回復という時間稼ぎの言い訳ができたので、自分がどんな治療を望んでいるのかと、どこで治療を受けるのか、そろそろ真剣に考えて、決断する時間を作ろうと考えていた時期だった。エコーでの筋腫発覚から約1か月半後のことだ。

 

子宮を残すか残さないか。手術以外の方法はないのか。漢方薬で小さくすることはできないのだろうか。手術の費用や痛みや術後…いろんな事が頭をぐるぐる。とにかく気が休まらない毎日。そんな中「UAE」という治療法を見つけ、都内のクリニックに相談に行くことにした。